明治乳業の紙キャップ消滅へ


 

日本経済新聞平成10年6月18日経済面にその記事は載っていた。概要は次の通りである。

 

○明治乳業はリサイクルを徹底するために宅配牛乳瓶のふたの原料を紙からプラスチックに変える。

○ふたは瓶と一緒に回収、自社の工場内に集めて植木鉢などの原料として販売する。

○ふたについては1年間で3300d排出され、ほとんどは家庭ゴミとして捨てられている(キャップの生産量からこの数字が出ているものと思われる)。

○新しいふたと瓶は小林硝子と共同で開発したという。

 

平成10年8月から北陸地区で投入、順次2年以内に全国へ拡大する。また情報によれば北陸工場(北陸明治牛乳福井工場)ではもちろん、既に熊本工場(熊本明治牛乳)でもプラスチック化が完了したという。当初は試験投入かと思われたが、既に明治乳業のホームページでも出ているように、これは決定事項となった模様だ。ということで、あと2年足らずで全ての瓶とキャップが切り替えられると予想される。ただ、今後の置き換えの状況で予想されるのは、先の2つは規模の小さい工場、つまり地方から置き換えが進んでいるので、意外と東京や大阪と行った大都市圏は後に回されると考えられる。東京圏内だけでも市川、関東、神奈川の3工場があることで、置き換えるときは一度にまとめて変えると考えられる。

*実際は2ヶ月ほどで徐々に切り替わりました。市川工場は廃止されマンションが建設されました。

 

 

それと関係があるのかどうかは不明だが、首都圏での明治コーヒーが今までは市川工場製だったのが、現在関東工場製(注・これは平成10年9月頃の話で現在は元に戻っている)となっている。他の銘柄については動きはないが、もし今後他工場で生産となると、順次工程を置き換えていくと言うことになるだろう。今後も目は離せない。

 

金属ふた、プラスチックのふたには全く興味がないわけではない。しかし今までキャップと来たら紙キャップの意識があった。指でふたをこじ開ける感触は紙ならでは。キリで穴を開けて取るという芸当が出来たのも素材が紙だからである。

首都圏の営団地下鉄の駅売りで見られる、おばちゃんがキリでキャップをフードごと開けて渡す光景はどう変化するのだろうか。プラスチックでも穴が開けられる素材になっているのだろうか。

*切り替え後、見に行ったところあらかじめビニール部分を外して冷蔵ケースに入れており、客が頼んでもすぐに出せるように下準備がされていました。キャップもキリでなく、手で開けていました。以前と違い、取っかかりが出ているので容易に開けられます。

 

今のところ、他の乳業メーカーではこの動きに追随は見られない。しかし、今後全く変化がないわけには行かない。環境という問題を考えることは、乳業に限らず現在の企業に求められている姿勢だからだ。

 

1999年3月現在新型瓶に変わった工場所在地

1998年08月 明治乳業北陸工場  

1998年09月 熊本明治牛乳 

1998年11月 明治乳業愛知工場

1999年03月 明治乳業神奈川工場

1999年04月 明治乳業市川工場(廃止)

 

1999年4月から関東地区でも投入が開始された。2月の末に販売店にチラシが配られており、新瓶切替の告知が入っていた。まず市川工場と栃木明治牛乳は確実に切り替えられる模様。神奈川工場はひと足先に変わり、市川工場も4月の終わりに切り替えられた。関東工場は今のところ不明であるが、異種の瓶混在流通は煩雑になると思われることから、おそらくこの工場も切り替えられると思われる。いよいよ佳境に入ってきたと言うところか。今年度中までには全ての工場で投入を完了するという。 

 

*追加情報

岡山工場、南九州工場の2工場は、1999年8月現在で既に新瓶に切り替わりました。1999年9月1日をもって関西地区(関西工場、兵庫工場)は新瓶に切り替わったという情報が入っております。

 

1999年10月現在現在旧瓶で残っている明治乳業瓶製品生産工場

 明治乳業青森工場、明治乳業仙台工場、明治乳業山形工場、福島明治牛乳、関東製酪、明治乳業長野工場、明治乳業新潟工場、四国明治乳業香川工場、四国明治乳業高知工場

確認がとれていない明治乳業瓶製品生産工場

 栃木明治牛乳、明治乳業関東工場、山陰明治牛乳、明治乳業山口工場

 

こちらも参照下さい。→明治牛乳全工場品一挙集合微妙に違う各工場での瓶

 

四国明治乳業の工場での製品が最後まで旧瓶で残るらしいということが判明いたしました。新聞記事によりますと、四国にある明治の3工場を統合して、2001年3月から操業すると言うことです。統合先の工場は現在ある3工場とは別のところに建てられると言うことですから、移転まであと1年足らずしかないのに、旧工場で新瓶にしても無駄となるでしょう。ということで、当初は20世紀中に絶滅するはずだった旧瓶が、なんとか21世紀を迎えることになると予想できます。

 

追加情報(2001.4.20)

東北地方では、2000年9月頃まで旧瓶が出回っていた。2000年10月で完成の東北工場に集約化するため、それまでは従来の工場で継続して旧瓶が使用されていたと考えられています。これによって、仙台工場、山形工場、福島明治牛乳がそれぞれ閉鎖された。なお青森工場については多少距離があることからか閉鎖はされずに存続している模様です。

 

更に四国明治乳業ですが、2001年3月の時点で香川工場は新工場へ、高知工場は稼働していたものの香川工場への移転作業中でした。2月で旧瓶での製造は終了した模様です。

  

2001年4月に入って、小瓶で残っておりました「メーピス」「トマト」「健康野菜」「プルーン」が遂に新瓶化されました。形的には、従来の新瓶取っ手同じ仕様で、無地・プラ栓のものとなっています(関東地区確認)。

 

残る明治乳業の紙栓仕様の瓶製品は大口瓶のヨーグルト「明治ハネーヨーグルト」「明治のびやかヨーグルト」の2種のみとなってしまいました。

しかし2003年9月末にてこれらの製品も終売となり、明治乳業から紙栓製品は全て姿を消しました。

 

 


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